近年、美食&スイーツの世界を賑わせている、ブラジルをはじめとした南米諸国。広大な土地と豊かな自然環境から生まれるさまざまな食材、その可能性を引き出す新世代のパティシエたちが次々に登場しています。
その1人として挙げられるのが、ディエゴ・ロザーノ(Diego Lozano)氏。ブラジルのテレビ番組「O CONFEITEIRO(スウィーツ)」のプレゼンターとして国民的な人気を誇り、Instagramフォロワー数も32万人(6月中旬時点)を有する、注目度大の若手パティシエとして知られます。2007年、22歳で最年少ブラジリアン・チョコレートマスターを獲得し、2015年には世界ショコラティエの最高峰「ワールドチョコレートマスターズ」でソーシャルメディアアワードを獲得するなど、輝かしい経歴の持ち主です。
そんなディエゴ氏が先日、初来日。6月12日にブラジル連邦共和国大使館で実演・試食会が行われました。新宿スイーツ編集部も参加してきたので、早速レポートしていきたいと思います。
会場に到着して最初に気になったのが、スタイリッシュに並べられた2種のスイーツ。おいしそうなシュー菓子とガトーに目を惹かれつつ、すぐに発表会の開始時刻となってしまったので着席することに。後で試食できるかもしれないと考えたら、ワクワクが止まりませんでした(笑)。
発表会は、ディエゴ氏の経歴やバックボーンの紹介からスタート。続くご本人によるトークでは、「サッカーとカーニバルだけの国じゃないことを伝えたい」という想いが語られました。ブラジルから世界に向けてクリエイションを発信する同氏の強い情熱が感じられますね。
また、“カスタードニャパラ”というブラジリアンナッツや、神の果物と称される“クプアス”といった、自国の食材に対する想いも印象的。ブラジルの食材とヨーロッパ菓子を融合させるという試みから、今後も革新的なスイーツが生まれていきそうですね。
続いて行なわれた実演では、試食用のスイーツを詳しく解説。「ブラジル ブレスト(Brazil Breast)」という名のシュー菓子は、有名なフランス菓子「パリブレスト」から影響を受けたものなのだそうです。クリームにはブラジリアンナッツのミルク、生地にはナッツのプラリネを使用。挟みこまれた塩キャラメルのとろける様子が食欲をそそります。
一方、ブラジルの都市がその名の由来だと思われる「ベレム(Belém)」は、トンカ豆のムースやクプアスのコンポートが重ねられたケーキ。底の部分にはブラジリアンナッツ使用のビスキュイが敷かれていて、こちらもシンプルかつオシャレなルックスです。実演終了後、ピースサインで撮影に応じてくれたディエゴ氏の写真にも、ぜひご注目ください(笑)。
質疑応答の時間には、多数の来場者から質問が寄せられていました。試食用のスイーツに対することから、ブラジルの社会情勢とスイーツとの関連性、今後の展望についてまで、その内容は実にさまざま。新宿スイーツ編集部が気になっていたのは、来春のバレンタイン商品についてでしたが……。こちらについては、松屋銀座との協業でバレンタインスイーツ「ブラジリアン・モード(仮称)」を販売予定とのこと。ゆずや抹茶といった日本の素材を使用したチョコレートを構想されているそうです。
お待ちかねの試食タイムには、2種のスイーツをいただきました。「ブラジル ブレスト」は、サクサクのシュー生地/クリーム/塩キャラメルのベストなバランスが楽しめる品。生地はほんのり香ばしく、クリームは非常になめらか、キャラメルの塩気も素敵なアクセントになっていました。「ベレム」は、コンポートの酸味とムースの甘みが繊細に絡み合うおいしさ。ビスキュイの軽快な食感も楽しめて大満足! 来場者の中には「もっと食べたい……」とつぶやいている方もいましたね(笑)。会場での評判は上々のようでした。
試食を終えて帰路についた編集部ですが、最後にもう1つ紹介したいものがあります。それがこちら、入場時にお土産としていただいたショコラです。
撮影のためにカットしてみると、中には黄色っぽいガナッシュがたっぷり。「どんな味だろう?」と思いつつ食べてみると……、なんだかなじみ深い味のような!? しばらく味わっていると、塩気に加えてほんのりとした辛味を感じました。
……恐らくですが、こちらは“ワサビ”が使われたガナッシュでしょう。かなり不思議に感じる組み合わせですが、高級感のある味で日本酒とも相性が良さそう。日本の食材や文化にも興味をお持ちのディエゴ氏らしい、ユニークで素敵なお土産でした。
編集部としては、新宿でも商品が買えるようになることを願うばかりです。今後とも、日本におけるディエゴ氏の活躍に注目していきたいと思います。
[DATA]
ブランド:ディエゴ・ロザーノ
»ディエゴ・ロザーノ 公式サイト
※この記事の情報はすべて、購入日時点のものです。